その仕事で一番大変なところ

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医療機器営業で一番大変なところを経験者8人に聞いてみた

人付き合い


医療機器の営業で一番大変な事は人付き合いです。まず何よりも医者と付き合って気に入られるのが大変。

 

同業他社はたくさんいますが、そういった中でも医者に気にいられて優先的に話を聞いてもらえるようにならなければいけません。ただでさえ医者は患者さんを診察していて忙しいですし、その中で営業をして商品を売るのは本当に難しい。

 

医者の中には診察以外の事に関しては無関心な方もいますので、そういった医者に上手く取り入っていく事がとにかく大変です。

 

また、営業職には知識量の多さが求められます。直接診察をするわけではありませんが、医療に使用する機器を販売するので医者以上の機械に関する知識量が求められます。

 

新卒で入社した方には知識を詰め込む時間がとにかく多くて大変だと思います。中途入社でも一から学ぶとなるとこれも大変な労力を要します。

 

そして勤務形態。直行直帰の企業が多いので自分で営業計画を立ててそれを確実に実行する自己管理が必要になります。

 

キーマンを見つけること


医療機器営業で一番大変なこと、それは『誰が買うのか』つまり、誰が商品を買うキーマンになるのかをみつけ、そして関係各所の調整をはかっていくということではないでしょうか。

 

多くの病院ではそれぞれの部署が複雑に関係していて、調整を図って納入をめざすことになりますが、その調整作業は本当に大変です。

 

ちいさな診療所の場合はもちろんその診療所の主治医=オーナーということになりますが、大きな病院、特に公的な病院になってきますと各診療科、検査部、看護部、用度課など関わってくる部署が増えます。

 

特に医師や検査技師がよいといっていても、用度課などのお金の管理をしている部署が大きな決定権をもっている場合は、なかなかすんなりと決まらないことが有ります。場合によっては看護部が使いにくいということで大きな反対にあうこともあります。

 

そこでそれぞれの部署がよいと言っているところとそうではないところ、全体として一致している利益を調整していき、納入につなげていきます。

 

誰がキーマンになるのか、そして部署間の調整が一番大変だと思います。

 

勉強


ひと昔前とは違い、医療機器営業の会社は増えてきつつあります。なので、病院を取り合いになることが多々。そこをどう切り抜けるかが重要です。

 

医療機器は医師の採用許可が出ないと、病院側は購入することができません。専門知識豊富な医師に、より専門的な知識で説明し納得してもらわないといけないためとても緊張する様です。もちろん、事前の勉強が不可欠になります。

 

医療機器は日々進化しているので、新しいものが販売されます。商品が出るたびに社内で勉強会が行われ自宅に帰ってからも、フィードバックしているのが現状です。また、マニュアルに書いてある事のみではなくトラブルがあったときの対処法なども知っておく必要があるので細かく勉強する必要があります。

 

いかにして医師を納得させることができるか、ということと営業マンのコミュニケーション能力が問われる仕事なので気を使い大変です。

 


少しだけ昔の話になってしまいますが。今から約4年程前の話です。私は某製薬会社に勤めていました。製薬業界は、常に医師の先生の顔色を伺うのが仕事です。勤めている会社の新薬を使ってもらえる様にと毎日毎日、嫌味を言われながらも。

 

そんなある日、医療機器メーカーの方と鉢合わせした時がありました。その日の、先生の顔色は絶好調でした。別室で待機していると、聞き覚えのある声がし聞き耳を立てていたら。同じ大学の同級生だったのです。商談が終わった様で同室に通され、互いにその場では会釈のみ。いつもの様に、先生のアフタータイムに両業者付き合い。

 

先生を見送った後に、久しぶりの再開に近くのバーへ行き。商談の結果は?と聞いた所。大丈夫、絶対に決まる時しか出向かないからと。え?毎日体も心も疲れるまで、一緒に居ても駄目なのに。聞いたところ、病院側からのアポイントがあって初めて出向くし、電話の時点でクロージングをかけてあるとの事でした。

 

ならばと、勇気を出して転職を相談したところ良答。直ぐ様、転職しました。しかし、現実はかなり厳しく広範囲の医療知識と場慣れでしょうか。下手に出るのが、普通だった私にはかなり大変でして。医師の先生方よりも、横柄な雰囲気。

 

ですが、その対応に勝る程の最新医療の知識。毎日、吐き気を催す程の勉強でした。学生の時より、時間は無いのに勉強量は遥かに上です。

 

医療機器はかなりの高額。それに見あった能力を持った人でなければ、医療機器の営業は勤まらないと実感させられました。

 

高額な機器を売らなければならない


基本的に機器が専門的なものになることから非常に高額になることが多い。デモ機などをしよういただいて気に入って貰っても購入に至るまでに何度も交渉と他者比較を繰り返されることが大変です。

 

なぜ先生もそんなに渋るかというと、医院の運営は他の薬品や器具なども使いそのどれもがそこそこ値段が高いことです。普段の消耗品の費用に対してプラスでかけたくなかったり、節税で保険などに加入し、月々の余剰金額がすくなっているケースもあります。

 

また医療保険自体も見直しが続き、基本的には減少傾向にあるので、今後の医院の売り上げも現状のままだと下がることも原因としてあります。それらのことがあって、手術や検査で今までよりも優秀だと認めてもらってもそれを上回る利益のイメージが付かないとほとんどの場合が購入まで至りません。

 

過去に眼科の手術の機器を販売していたのですが、デモ機では皆さん大絶賛でしたが、それで年間の手術件数の増加が見込めるわけでもないし、今までのままでいいやと言う先生が多く困ったことがあります。

 

ノルマ


まず、メーカーの場合、多くの診療科で外資系企業です。ノルマがいかなければ退社です。長くて三年の在籍です。

 

医療機器営業は一般の産業と異なり、自社の商品をどんな作戦で売るかは、事実上自分で決めて自分で実行しなければなりません。(会社からノルマが決められて、新商品が無いにも関わらずノルマは毎年2割はアップします。)誰かが助けられる仕事もありますが、担当顧客との商品選択、採用は自分ひとりです。

 

また、自分はc社の営業とすると、病院のシステム上、現在a社の商品を使用していて、新たにc社の商品を使いたいというときに、a社の商品も継続して使うということができない。

 

メーカーが病院と伝票のやり取りをすることはなく、中間業者が存在します。この業者の営業マンの場合は大変なのは伝票処理と、価格交渉です。伝票処理は、メーカー、業者が病院に貸し在庫を置き使用したら起伝、補充をします。

 

病院の価格交渉は一般的な企業でないため非常識なレベルです。

 

仕事時間が不規則


病院の先生がお客様となるため、仕事時間が不規則になってしまうことです。

 

普段の営業活動は病院の診療時間の合間の時間帯に行う形となりますので、お昼休みなども関係なく移動時間や商談時間に充てます。

 

また、病院の診療終了時間を狙って訪問するため、商談の開始が、夜の19時や20時、終わる時間が21時を回ることもざらにあります。その後、報告書の作成や事務処理を行うため、帰りの時間が日付をまたいでしまうことがしょっちゅうでした。

 

通常の営業活動でも、そのような状態であったため、機械トラブルや緊急手術での急な調達依頼などがあると、忙しさにさらに拍車がかかりました。

 

特に総合病院は24時間稼働しているため、休みの日や帰宅後にもトラブルがあると携帯に呼び出しがかかり、技術者と一緒に現場に急行することがありました。

 

帰宅後や休みの日にもいつ呼び出されるかわからないという点は、気持ち的にもプレッシャーになり、ゆっくりと休まる気がしませんでした。

 

医療機器が故障した場合


医療機器営業で一番大変なことは、取り扱っている医療機器が故障した場合です。

 

医療機器は、ときによっては、患者さまの生死に関わることもあります。例えば、酸素吸入器が故障した場合に、患者さまが死亡してしまうケースもあります。このような場合に直接的には、責任は病院にありますが、病院側から、医療機器メーカーに責任を追求することも多いと思います。

 

医療機器メーカーのなかでは、実際に事件が起こると、医療機器の営業担当に連絡して、なぜこのような事態になったのか聞きます。

 

このように医療機器の営業担当は、単に売り込んで成績をあげるためだけではありません。常に自分のお客様である病院の医療機器の状態に気を配ることが必要です。医療機器の不具合により、会社の信用を落としてしまいます。

 

実際に私の勤めている病院では、医療機器の不具合により患者さまに迷惑をかけたことがあります。

 

正確に動く医療機器で、なおかつ他社より安くないと実際に病院は買ってくれません。この矛盾する関係のどちらを重視するかで、医療機器の営業は困っています。