その仕事で一番大変なところ

通関士で一番大変なところを経験者6人に聞いてみた

一人当たりの負担が大きい


最近では申告されるものが増えましたが、通関士自体の人数はそれに比例して増えているわけではないので一人当たりの負担が大きいです。

 

全ての生類の審査をしないといけないのでチェックには膨大な時間がかかります。残業は当たり前のようにあります。

 

通関士が務める組織でミスが発覚すると最悪の場合業務停止命令が下されることがあるのでチェックにミスは許されません。それでも人間なので100%ミスがないというわけではありません。

 

そのため2~3人でダブル・トリプルチェックをしています。これで大抵のミスを防ぐことはできます。つまり少なくともツーマンセルで動く必要があります。

 

逆にいうと片方が休むと仕事になりません。そのため有給は取りにくいです。取る場合は最低でも2習慣前に部署の人、一緒にチェックする人に伝えておく必要があります。

 

急な用事や病気などで市役所でや病院へ行かないといけない場合はかなりきついです。どうしてもという場合なら、午前中内に私用を終わらせて残業をして仕事を片付けるしかありません。もちろん、周りにも迷惑がかかるので気まずいです。

 


貿易が増える年末などは連日夜遅くまで仕事をすることもあるので、とても大変になります。

 

また、通関士の数は業界全体で不足していることもあり、一人当たりの仕事量は多くなりがちです。私が行っている業務も通常は2人で行う仕事量ですが、私一人で行っている状況です。

 

さらに、通関士の仕事はものによっては高額なお金が関わるので、責任は重大です。間違っても書類の不備は許されないので、仕事中は一切気が抜けません。かといって、先ほど述べたように社内で通関士の仕事ができる方は限られているので、仕事で困ったことがあっても頼ることができない状況です。

 

給料は仕事量を考えるとまったく高いとはいえないので、やりがいを見出せないと長く続けるのは難しいかもしれません。私の知っている限りでも、労力に見合わない仕事と思って辞めてしまう方は少なくありませんでした。

 

さらに、通関士の仕事は景気や国交によって仕事量が大きく変わるので、新しく国交を結んだニュースなどがあると、数か月後には仕事量が一気に増えることもあるので大変です。

 

書類がそろわず申告をかけられない時


一番大変なことは、通関する期日は決まっていても、通関書類がなかなか届かない。または、訂正を依頼してもなかなか修正された書類がとどかなかったり、商品説明や、統計品目番号がわかるような書類がそろわないという事です。

 

そろわなければ申告をかけることができません。もし税関検査になった場合、通関書類一式を税関に提出しなければなりません。その際に書類がそろっていなければ輸出許可、輸入許可にはなりません。

 

しかしそのような状況を荷主はあまり理解をしておらず、最速だけは一人前にしてきます。はやく申告してくださいという前に、書類をそろえて下さいと本当に言いたくなりますが、荷主様にさからうことができないのが大変です。

 

ぎりぎりで通関が切れたときは本当にほっとします。余裕をもって書類と向き合いたいのですが、なかなかそのような状況はないのでいつも緊張感はあります。

 

ミスは許されない仕事ですので、書類がきたら、まずはくまなくチェックしています。

 

分野の明確で無い物の手続き


通関士の仕事上大変な所は、分野の明確で無い物の手続きだと思います。

 

実際、私が悩んでしまい上司に相談し対応した物ですと。美術品と記入されていた物を確認してみたら。生野菜や生果実が壁に埋め込まれた物でした。確かに、そう言われればってレベルで輸入が禁止された物まで壁に埋まっていました。

 

そういった美術品が150点…しかも、全て一つ一つが違う野菜や果物が埋まっているのです。検疫をして通関出来る物は何点あるか。入関職員になんと伝えれば解ってもらえるか。と困りました。

 

しかし、依頼されたからには通関士として最善は尽くさなければと書類を作成し。然るべき、手続きを踏みながら。いざ入関手続き、全て通りませんでした。何となく、予想はしてはいましたが。全点、不許可は初めてでしたので。相手方に伝えるのも、大変でした。

 

国が違えば、入関手続きも違ってきます。既に、不許可を予想していたので書類は直ぐに作成できましたが。大変な労力を使った結果としては、報われない仕事だと考えさせられた一件でした。

 

正しい判断


通関士の仕事で一番大切なのはそれまでの経験で培った正しい判断をすることです。

 

これだけ、人のライフスタイルが多様化してくると海外から日本に入ってくる品物も物凄くいろいろな物が入ってくるようになってきます。通関士は実際に日本に入ってくる品物を見定めて、それが申告通りの品物なのか見定めなければなりません。

 

なぜ、申告通りの品物か見定める必要があるのか、それはわかりやすくいうと品物によって税率が全く違ってくるからです。

 

例えば、どこから見ても流木のような、何の変哲もない木が通関に回ってきたとします。それを申告通りに流木として扱って良いのでしょうか?答えは違います。流木は見ようによってはアートにも見えますし、燃やして使う燃料にもなるかもしれません。ですから、通関士はそれまでの経験をフルに活かして目の前にある物が果たして何なのか、正しく判断をしなければならないのです。

 

通関士の仕事は言って見たら国益にも大いに関わること。そこで求められる大切なことは、いつも正しい仕事をしようとする姿勢なのです。

 

輸入者本人への指導


勤務する通関業者によって主な取り扱い貨物に違いがあると思いますが、うちの場合は「古着」が主な取り扱い、その他雑貨でした。

 

個人でリサイクルショップを営む方からの依頼が多く、通関知識は皆無。そのため輸入禁制品が梱包されていたり、インボイス内容と貨物内容が合っていなかったり。少しでも税金を安く仕入れようと、関税率が大きく違う革製衣類を通常の古着として違法申告を画策したり。とにかく輸入者本人への指導が大変でした。

 

違法申告については一緒に事情聴取させられ、刑事告訴こそ免れましたが私に判断でその輸入者との取引は今後一切お断りとしました。

 

インボイスと貨物内容が合っているかどうか、申告前にほとんどの貨物を開封して内容確認をするのですが、貨物が保管されているのはコンクリート造りのだだっ広い倉庫。冬に暖房があるわけでなく、冷えないように厚着をしても1時間もいれば体は芯から冷え、すっかり冷え性体質になってしまいました。

 

通関士は机に向かって書類を作成するイメージでしたが、体力も使うハードな仕事でした。

「お前に正社員は一生無理」

こういったパワハラを上司にされ続けた僕は、入社3か月目で転職を決意。絶対に見返してやると思いました。

現実は過酷でしたが。

  • 15社に書類送付
  • 書類選考に通ったのは4社だけ
  • 最終面接まで行ったのはわずか1社

でも、ある方法に気づいた結果、年商52億円企業の正社員として働いています。かつての僕のように傷のある経歴で苦戦している方のみご覧ください。

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